Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆだんたいてき
ゆだん大敵
山本 周五郎
Lesen Sie ゆだん大敵 (ゆだんたいてき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.664 Zeichen · 41 Bildschirme
ずいぶんくだくだしいことを並べたが、これは刀法の稽古よりも、そういう雑事のほうが道場では重んぜられたからである、門人たちが戸惑いをしたのは云うまでもない。
なかでも横堀賢七という者は一刀流をかなりなところまでやり、腕にも自信がある男だったので、まず第一に不平を云い始めた。
「ぜんたいとして、これは、ちょっとどうもわけがわからない。われわれは剣法道場へ入門したつもりだが、これではまるで禅寺へでもはいったようじゃないか」
「まったくさ、柳生流がこんなにこちたきものだとは知らなかった」
「なんだそのこちたきとは」
「よく知らないけれどもさ、なんとなくこちたきという感じじゃないか、これでは拭き掃除や火おこしばかり上手になって、われわれはへんな者になるんじゃないかと思うよ」
しかしそのうちに変るだろう、かれらはそう考えていたが、幾ら日数が経っても毎日の日程は変らなかった。
……そこへ、江戸から父の郷田権之助がやって来た、権之助は長男に家を譲り、隠居となって、久之助のところへ身を寄せたのである。三人の子のなかで最も愛している久之助、別れて以来十年ぶりで、かれは老後を久之助の側で終るつもりで来たのだった。