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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆだんたいてき

ゆだん大敵

山本 周五郎

Lesen Sie ゆだん大敵 (ゆだんたいてき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.664 Zeichen · 41 Bildschirme

Aozora Bunko

文治にも武治にも、生涯に遺した功績は大きく、他の模範となったものも少なくない。

……だがここでは忠辰を語るのが目的ではないから、われわれの主人公へ筆をもどすとしよう。

久之助は郷田権之助という者の三男で、七歳のとき幼君(即ち忠辰)のお相手に御殿へ上った。いっしょに五人ほど上ったが、初めから久之助が特にお気にいりで、なにをするにもかれ無しでは済まず、またかれの云うことなら大抵は用いられるという風だった。

しかしいちどだけこういうことがある、ある時なにを思いついてか、お相手の一人に向って、「犬になれ」と云いだした。その少年は厭ですと答えた。

「おれがなれと云うのだ、なれ」

「厭でございます、犬にはなりません」

押し問答をしていると、久之助が忠辰に向ってそれは若君が御無理だと云った。

「そんな真似をしたら、某はこれからさき御奉公がならなくなります」

そこにはお相手の少年たちがいたし、いちばん好きな久之助にそう面詰されたので、忠辰は怒って久之助に組付いた、そしてかれをそこへ捻じ伏せて拳で打った。久之助は避けもせずに打たれながら、

「若君が御無理だ、某が仰せに反いたのは尤もです、さむらいに向って犬になれと仰しゃる法はない」