Japanische Klassiker mit Furigana
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アパートできいたはなし
アパートで聞いた話
小川 未明
Lesen Sie アパートで聞いた話 (アパートできいたはなし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.564 Zeichen · 5 Bildschirme
それほどくつが必要にせまられていたのだ。すると、たしかにほかの店よりは、よい品物が安く買えるので、求めたのである。
『時節がら、みなさまの身にもなってみまして、てまえどもは、食べていければいいという精神で、ご奉公をしています。』と、主人は、いった。いまどきこんな考えをもつものがあろうかと、なんだか、うそのような気がしたけれど、無上にうれしかった。そして、急にこの世の中が明るくなったようで、希望がもてたのである。たとえ、食うために、身を機械にしてアナウンスしても、あの女までが、いい仕事をしているように見えて、ぼくは、自分を恥ずかしく思ったのだ。」
「お兄さん。すると、自分のことばかり考えず、他人のことも思うなら、この世の中は、明るくなるんですね。」と、少年は、聞きました。
「それも、一人や、二人ではだめだ。道を歩くもの、電車に乗るもの、めいめいが職場をもっている。そして、社会と関係のない仕事というものはないのだから、みんなが、その気になればいいと思うのだよ。」
二人の話を聞いて、その日から、少年に、アパートの人々を見なおす気がおこったのでした。