Japanische Klassiker mit Furigana
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アパートのさつじん
アパートの殺人
平林 初之輔
Lesen Sie アパートの殺人 (アパートのさつじん) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.579 Zeichen · 39 Bildschirme
「ただのファンなんですけれど、あんなしつこい子ったらありゃしないのよ。奉天へ巡業に行ってるときに、ちょうどあの倶楽部が向こうへ試合に来てて、あちらのあるカフェではじめてあったんですがね、その時ブロマイドをせがむもんだから、一枚くれてやったら、それを今でも後生大事にもっててその後手紙をよこしたり、たずねてきたりして、うんざりしちゃうのよ」
聞いてみればなるほど無理はないんです。女優なんて人気しょうばいだから無暗に人の機嫌をそこねちゃたちゆかないことは、私にもよくわかるんですからね。
何しろ、あれは、親と娘とほど年齢のちがう私がすきですきでたまらん風でした。私もあんな風に女に愛されたことはなかったので、眼の中へ入れてやりたい程かわいくなってきたのです。たった一月の間に、あれにはかれこれ四千円も金をかけましたからな。それでもちっともおしいとは思わなかったもんです。今でもそうは思っとらんですよ。いったい私どものような実業家は、どんな場合にでも算盤にあわないような金の費い方はしないもんです。だがあれの場合は全くけたはずれでしたよ。もう金銭ずくじゃないんです。