Japanische Klassiker mit Furigana
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アパートのさつじん
アパートの殺人
平林 初之輔
Lesen Sie アパートの殺人 (アパートのさつじん) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.579 Zeichen · 39 Bildschirme
八 松木久作の第二回目の証言
絞殺されたのだというようなことは、いま聞くのがはじめてなんです。
八 松木久作の第二回目の証言
先程お取り調べのときに、よっぽどそのことも申し上げようと思ったのですが、つまらんことでかかりあいになっちゃ、馬鹿な話だと思ってやめたのでした。
実は今朝、みさをとわかれるときに、あれが、追々春になってくるのに、春のしたくができないからというので、五百円の小切手を書いてわたしたんです。さあどこへしまったか、私がかえるときは、まだ、枕元においてあったように思います。
それから私はちょっと会社の方へ顔をだしたんですが、どういうものか、ふっとあれのことが心配になってきたのです。いったい私は何か気にかかることがあると、それをたしかめてしまわんと、何も手につかん性質でして、さあ心配しだすと、もう落ちついていられないのです。そのときまでそんなつまらない考えを起こしたことはなかったんですが、今朝のように二人も男がたずねてくると、はたして私は安心しててよいかどうか迷ってこざるを得なくなったのです。何にしても三人のうちでは私がいちばん年をとっている。そして、こう言っちゃ何だが、お金の融通のできそうな男は私より外にはない。