Japanische Klassiker mit Furigana
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インドラのあみ
インドラの網
Lesen Sie インドラの網 (インドラのあみ) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.369 Zeichen · 49 Bildschirme
一つの壁がまだそのままで見附けられ、そこには三人の天童子が描かれ、ことにその一人はまるで生きたようだとみんなが評判しましたそうです。或るよく晴れた日、須利耶さまは都に出られ、童子の師匠を訪ねて色々礼を述べ、また三巻の粗布を贈り、それから半日、童子を連れて歩きたいと申されました。
お二人は雑沓の通りを過ぎて行かれました。
須利耶さまが歩きながら、何気なく云われますには、
(どうだ、今日の空の碧いことは、お前がたの年は、丁度今あのそらへ飛びあがろうとして羽をばたばた云わせているようなものだ。)
童子が大へんに沈んで答えられました。
(お父さん。私はお父さんとはなれてどこへも行きたくありません。)
須利耶さまはお笑いになりました。
(勿論だ。この人の大きな旅では、自分だけひとり遠い光の空へ飛び去ることはいけないのだ。)
(いいえ、お父さん。私はどこへも行きたくありません。そして誰もどこへも行かないでいいのでしょうか。)とこう云う不思議なお尋ねでございます。
(誰もどこへも行かないでいいかってどう云うことだ。)
(誰もね、ひとりで離れてどこへも行かないでいいのでしょうか。