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Japanische Klassiker mit Furigana

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キュリーふじんのいのちのほのお

キュリー夫人の命の焔

宮本 百合子

Lesen Sie キュリー夫人の命の焔 (キュリーふじんのいのちのほのお) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.738 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

もしキュリー夫妻の艱難と堅忍と努力と成功の物語がここまでで終っていたとしたら、この人々の生涯は、成程立派でもあり業蹟もあがっているが、謂わば平凡な一つの立志伝にすぎなかったと思われます。

成功し業蹟をたてた人の真の価値は寧世間にその価値が認められてから後、その人がどんな態度で周囲から与えられる尊敬や名誉やそれに伴う世間的な利益に処して行くかというところにこそ、人間としての評価の眼が向けられるべきではないでしょうか。キュリー夫妻の生涯の価値、科学者としての真のえらさは、一九〇四年の春のある日曜日の朝の会話にその精髄をあらわしていると思います。アメリカから来た一通の手紙が二人の間のテーブルの上におかれています。手紙は、アメリカの技術家からラジウム調製の方法を教えて呉れるようにと云って来ているものです。この手紙の内容は、誰にでもすぐ考えられるとおり、キュリー夫妻が世間の人たちが誰でもやっているとおり自分の発見に特許をとって、ラジウム応用のあらゆる事業から莫大な富を独占するか、それとも、そんなことは一切せず、科学上の発見を人類の進歩のためにひろく開放するか、二つに一つの態度をきめさせる性質のものでした。