Japanische Klassiker mit Furigana
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シグナルとシグナレス
セロ弾きのゴーシュ
Lesen Sie セロ弾きのゴーシュ (シグナルとシグナレス) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.296 Zeichen · 32 Bildschirme
あの光の環ね、あれを受け取ってください。僕のまごころです」
「ええ。ありがとう、いただきますわ」
「ワッハッハ。大笑いだ。うまくやってやがるぜ」
突然向こうのまっ黒な倉庫が、空にもはばかるような声でどなりました。二人はまるでしんとなってしまいました。
ところが倉庫がまた言いました。
「いや心配しなさんな。この事は決してほかへはもらしませんぞ。わしがしっかりのみ込みました」
その時です、お月さまがカブンと山へおはいりになって、あたりがポカッと、うすぐらくなったのは。
今は風があんまり強いので電信柱どもは、本線の方も、軽便鉄道の方もまるで気が気でなく、ぐうん ぐうん ひゅうひゅう と独楽のようにうなっておりました。それでも空はまっ青に晴れていました。
本線シグナルつきの太っちょの電信柱も、もうでたらめの歌をやるどころの話ではありません。できるだけからだをちぢめて眼を細くして、ひとなみに、ブウウ、ブウウとうなってごまかしておりました。
シグナレスはこの時、東のぐらぐらするくらい強い青びかりの中を、びっこをひくようにして走って行く雲を見ておりましたが、それからチラッとシグナルの方を見ました。