Japanische Klassiker mit Furigana
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パノラマとうきだん
パノラマ島綺譚
江戸川 乱歩
Lesen Sie パノラマ島綺譚 (パノラマとうきだん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 78.920 Zeichen · 153 Bildschirme
此場合、医師は彼自身の誤診ということで、心が一杯になり、それの弁明にのみ気をとられて、患者の身体に多少の変化を認めても、それを深く考えている余裕はないのでした。又仮令彼が廣介を疑うことが出来たとしても、それが源三郎の替玉であろうなどと、その様な途方もない考が、どうして浮びましょう。一度死んだものが蘇生する程の大変事が起ったのですから、その蘇生者の身体に何かの変化が見えた所で、さして不思議がることはない。と、専門家にした所で、そんな風に考えるのは、決して無理ではないのです。
死因が発作的の癲癇(医者はそれをカタレプシと名附けたのですが)だものですから、内臓にはこれという故障もなく、衰弱といっても知れたもので、食事なども、ただ営養に注意すればそれでよいのでした。随って廣介の仮病は、精神の朦朧を装い、口をつぐんでいる外には、何の苦痛もなく、極めて楽なものでありました。それにも拘らず、家人の看病は、実に至れり尽せりで、医師は毎日二度ずつ見舞いに来ますし、二人の看護婦と、小間使とは枕頭につき切りですし、角田という総支配人の老人や、親族達はひっ切りなしに様子を見にやって来ます。