Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

パノラマとうきだん

パノラマ島綺譚

江戸川 乱歩

Lesen Sie パノラマ島綺譚 (パノラマとうきだん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 78.920 Zeichen · 153 Bildschirme

Aozora Bunko

は徐々にガラス板の方へ近づいて来るのでした。

「驚くことはない。あれは私の雇っている潜りの上手な女なのだ。私達を迎えに来て呉れたのだよ」

よろよろと倒れ相になった千代子を抱き止めて、廣介が説明します。千代子は息をはずませて、子供の様に叫ぶのです。

「まあ、びっくりしましたわ。こんな海の底に人間がいるんですもの」

海底の裸女は、ガラス板の所まで来ると、浮ぶ様に、フワリと立上りました。頭上に渦巻く黒髪、苦し相に歪んだ笑い顔、浮上った乳房、身体一面に輝く水泡、その姿で、彼女は内側の二人と並んで、ガラス壁に手をささえながら、そろそろと歩き始めるのでした。

二人はガラスを隔てて、人魚の導くがままに進むのです。海底の細道は、進むに従って屈折し、しかもその所々に、故意か偶然か、不思議なガラスの歪みが出来ていて、その箇所を通過する毎に、裸女の身体が真二つに引裂かれ、或は胴を離れて首丈けが宙を飛び、或は顔丈けが異常に大きく拡大され、地獄か極楽か、何れにしろ此の世の外の不可思議な、悪夢の様に、次から次へと展開されるのでありました。

併し、間もなく人魚は水中に耐え難くなって、肺臓に溜めていた空気をホッと吐き出し、そのすさまじい泡の一団が、遙かの空に消える頃、彼女は最後の笑顔を残して、手足を鰭の様に動かすとヒラヒラと昇天し始めまし