Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
パノラマとうきだん
パノラマ島綺譚
江戸川 乱歩
Lesen Sie パノラマ島綺譚 (パノラマとうきだん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 78.920 Zeichen · 153 Bildschirme
廣介の声にふと見ると、森の入口の一本の杉の木の根許に、誰が乗り捨てたのか、毛並艶やかな二匹の驢馬がつながれて、しきりに草を噛んでいます。
「私達はこの森へ這入らねばなりませんの」
「オオ、そうだとも。何も心配することはない。この驢馬が安全に私達を案内して呉れるのだよ」
そして、二人はおもちゃの様な驢馬の背に跨って、奥底の知れぬ、闇の森へと進み入るのでありました。
森の中では、幾層にも木の葉が重り合って、空を見ることは出来ませんけれど、でも、全く闇というではなく、黄昏時のほのかなる微光が、もやの様に立籠めて、行手が見えぬ程ではありません。巨木の幹は大伽藍の円柱の様に立並び、その柱頭から柱頭を渡って、青葉のアーチが連り、足の下には、絨毯の代りに杉の落葉が分厚に散り敷いて居ります。森の中のたたずまいは、丁度名ある大寺院の礼拝堂に似て、その幾層倍も、神秘に、幽玄に、物凄く感じられるのです。
それにしても、この森の下道の調和と均整は、到底天然の企て及ぶ所ではありません。例えば、広漠たる大森林が、凡て杉の巨木のみで出来ていて、その外には一本の雑木も、一茎の雑草も見当らぬ点、樹木の間隔配置に人知れぬ注意が行届いて、異様の美を醸し出している点、その下を通ずる細道の曲線が、世にも不思議なうねりを見せて、通る者の心に一種異様