Japanische Klassiker mit Furigana
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ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Lesen Sie ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.411 Zeichen · 263 Bildschirme
それから彼は住居を見つける必要にもせまられていた。今の家は遠慮がちな追い立てをくっていた。家主は隣家の白木で、彼と発田の二軒が白木の持ち家であった。白木と彼の家をへだてる垣根に長者門があって、その扉をあけて白木は、三日に一度くらい彼の家にやってきた。彼と花札をたたかわす為である。白木は彼よりもすこし若く、小柄な男であった。皮膚が豆腐みたいにぶよぶよと白かった。黒い小さな眼球に、瞼が白くかぶさっていた。定まった職業をもたないので、いつも貧乏しているらしかった。毎日ぶらぶら家にいて、日向ぼっこしているか、鶏の世話などをしていた。白木が飼っているのは、軍鶏である。白木はそれを若鶏のうちから育てて、訓練をほどこし、強大な成鶏にそだてあげると、それを闘鶏に持って行くのであった。白木が貧乏しているのは、このせいであった。だから白木は自分の持ち家を売って、金をつくりたがっていた。しかし彼のような借家人が居坐っていては、買手がつくわけもなかった。しかも白木が彼に明渡しを促す時は、ごく遠まわしな言い方で、まるで逆に居坐って呉れとでもいっているような具合であった。