Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ボロやのしゅんじゅう

ボロ家の春秋

梅崎 春生

Lesen Sie ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.411 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

相当時代物らしいがまだ毛もふかふかしている。大きな六角形の釦が六つ胸についている。釦の色は黄色だった。

二三日経った。僕は通りで行列に加わり、バスを待っていた。僕の前にいる男の後姿がどこか見覚えあるので考えていると、ふとその男が振返った。それがあの省線の中の男だった。僕を見て戸惑いしたようににやにやしたから、僕も一緒ににやにや笑った。勿論僕はあの外套を着用していたのである。すると男は急に怒ったような顔になって向うをむいたが、暫くして又振返った。

「なかなか立派な外套でござんすね」

彼は皮肉な調子で言った。

「どういたしまして。お粗末なもんですよ」と僕は言い返してやった。彼は少しまぶしそうな顔をして僕の外套を上から下まで眺め廻した。その時気がついたんだが彼の背広はあちこち摺切れていて、今日はカラアも着けていなかった。この前は血走っていたが今日の眼は青く澄んでいる。皮膚は浅黒くて、土耳古人みたいな顔だなと僕は思った。

「家はこの近くかい」そんなことも聞いたようだった。

バスが来たので僕等は乗り込んだ。席は並んで取れたのだが、彼は婆さんに席をゆずったから自然僕の前に立ちふさがる破目となった。