Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ボロやのしゅんじゅう
ボロ家の春秋
梅崎 春生
Lesen Sie ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.411 Zeichen · 263 Bildschirme
野呂もそんな表情をしていました。そして僕らは書類を提示したりしてこもごもその事情を説明し始めました。刑事は角張った顎で一々うなずきながら、黙って聞いていました。新聞などによく警察官が『事情を聴取する』という表現がありますが、如何にも『聴取』とはピッタリした語感ですな。僕らが話し終ると、刑事は首をかしげて、腕を組みました。野呂が心配そうに聞きました。
「やはり僕はだまされたんでしょうか。不破氏は戻って来ないでしょうか」
「おそらく戻って来ないでしょうな」刑事の言葉はいくらか丁寧になりました。こちらも被害者だと判ったせいでしょう。「あいつは他にも詐欺の容疑がある。手が廻るのを予知して、高飛びしたらしいです」
「じゃ僕の四万円は?」野呂がおろおろ声を出した。「そうすると一体この家は?」
「不破の名義になっている限り、不破の所有物でしょうな。その方の法律のことは良く知らないけれども」と刑事は面倒くさそうに答えました。「いや、お邪魔しました。不破が万一戻って来たとか、また何か連絡があった場合は、すぐ署の方に電話して下さい」
刑事は僕が出した茶に手もつけず立ち上り、さっさと靴を穿いて出て行きました。