Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ボロやのしゅんじゅう

ボロ家の春秋

梅崎 春生

Lesen Sie ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.411 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

言葉の量でもって実績をかせごうとするかのようだ。すこしずつでも言葉の版図を拡げて置こう、という感じを露骨に出す。いつも同じシステムでやってくる。縁側から上半身を乗り出すようにして、私をじっと見詰めながらしゃべる。その彼女の網膜に映っている私自身の姿を、私はいつもある感じをもって、まざまざと想像している。

「いまお使いならなくても、あとでお使えにもなれますし、もし何なら、他に転売なさっても、よろしいじゃございませんか。え?」

私の庭の一隅に、私に無断でカスミ網を張って、それで捕えた小鳥の数は、おそらく三四十羽にのぼるだろう。古畑家ではそれを飼い慣らして、欲しがる人に売ったり、小鳥屋に売ったりしていたようだ。一度などは、私の家にも売りにきた。番いの鶯であったけれども、その値段も法外であったように思う。法外でなくとも、私の庭には小鳥が多いのだから、買い求める必要もないのである。しかしあれは、私に売りこむつもりではなく、見せに来たのではないか、反応をさぐるために、とも私は想像する。もしそうだとすると、私は見るだけは見たのだから、それでいい訳だ。その私からどんな反応を、彼女が得て帰ったかは、それは別のことで、私もうまく推定できない。