Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ボロやのしゅんじゅう

ボロ家の春秋

梅崎 春生

Lesen Sie ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.411 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

「そんなに疑われると、子供の手前、恥かしくってねえ」

森タバコ店は、タバコ屋のかたわら駄菓子などを売っていますが、近頃店の中を仕切って、惣菜用のおでんを売り始めました。一串十円ぐらいの安おでんで、ちょっと醤油味が濃過ぎるようですが、簡便なので結構売れているらしい。ぼくもおかずつくりが面倒な時は、時々利用しています。それにおおっぴらにやれることじゃないんですけれど、いつも二級酒だの焼酎がそなえつけてあって、こっそりとコップに注いで出して呉れる。すなわちおでんをサカナにして、ひやであけるわけです。甚五がおかしくなって以来、収入が激減したので、窮余の一策としてこのヤミ商売を思いついたらしいのです。なにしろ簡便なので、常連も出来ている。

酒類は戸棚の中にしまってあり、鍵がかかってる。注文があると取り出して注ぎ、また鍵をかける。取調べがあった時の用心かと思っていたら、そうじゃないんですな。常連の一人に大久保という独身男がいて、齢の頃は三十前後ですが、どこかの役所に勤めているとのことで、これがまた眼のぎょろりとした詮索好きな男なのです。これが聞きました。

「おかみさん。