Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ボロやのしゅんじゅう

ボロ家の春秋

梅崎 春生

Lesen Sie ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.411 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

この界隈の大掃除日は先月の二十五日と区役所から通達があり、その日僕と野呂はそれぞれ自分の部屋の畳をかつぎ出し、庭でポンポンと引っぱたいた。お互いに協力してではなく、ばらばらに孤立してです。しかし四畳半だから大したことはありません。畳をあげたあとは床に新聞紙をしき、DDTをまき、それで畳は庭に乾したまま、ついうっかりと僕が昼飯を食べに出たんです。そして食堂から戻ってくると、もう野呂は畳を自分の部屋に運び入れ、すました顔で莨などをふかしていました。そこで僕もエイエイと畳を自分の部屋にかつぎ込んだが、どうもしっくりと床に入らない。陽光にさらしたので少しふやけたんだろうと、足で踏んだり蹴ったりして、やっとはめこみました。そして野呂のまねをして、部屋のどまん中にあぐらをかいて莨をふかしたが、どうも感じが変なのです。畳の色がへんに赤茶けたように曇っている。ハッと気が付きましたな。僕が昼飯に出ている間に、僕の畳を野呂はそっくり自分の部屋に運び入れ、そのあとに自分の畳を立てかけて置いたに違いありません。野呂の部屋は西側ですから、西日の関係上、僕の部屋のより赤茶けているわけなのです。