Japanische Klassiker mit Furigana
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いっすんぼうし
一寸法師
江戸川 乱歩
Lesen Sie 一寸法師 (いっすんぼうし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.475 Zeichen · 194 Bildschirme
つまり、この吸取紙は三千子のものではないのです」
「すると何だね」田村検事が驚いていった。「エート、一寸法師が持歩いた腕なんかは、三千子のものでないことになるね。それらの指紋がうそだとすると」
「そうだよ。三千子のものではなかったのだよ」
「そんなことをいえば、この事件は根本からくつがえって来る訳だが」
「くつがえって来る。出発点から間違っている」
明智は平気で答えた。田村氏の顔色は漸く真剣味を帯びて来た。刑事部長も一膝前にのり出した。
「では、明智君、三千子は死んでいないというのか」
「そうだ。三千子は死んではいないのだ」
「じゃあ、君は……」
田村検事は、ある感情の交錯のために顔を青くして、明智をにらみつけた。
「そうだ」明智は検事の表情を読む様にして「その通り。君の考えは当っている。三千子は被害者ではないのだ」
「被害者ではなくて……」
「加害者なのだ。三千子こそ犯人なのだ」
「すると、被害者はどこにいる。三千子は一体だれを殺したのだ」
「待ち給え、大体見当はついているのだが」明智は検事を制して置いて、隅の方に小さくなっている人形師をさし招いた。「安川さん。つかぬことを聞く様だが、ここに並んでいる人形は皆註文の品だろうね」