Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かじとポチ
一房の葡萄
有島 武郎
Lesen Sie 一房の葡萄 (かじとポチ) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 23.753 Zeichen · 48 Bildschirme
長々御世話になってありがたかったがもう私もこの世には用のないからだになったからナイルの方に一日も早く帰ってくれ。かれこれするうちに冬になるととてもおまえの生命は続かないから」
としみじみおっしゃいました。燕はなんでいまさら王子をふりすてて行かれましょう。たとえこごえ死にに死にはするともここ一足も動きませんと殊勝な事を申しましたが、王子は、
「そんなわからずやを言うものではない。おまえが今年死ねばおまえと私の会えるのは今年限り。今日ナイルに帰ってまた来年おいで。そうすれば来年またここで会えるから」
と事をわけて言い聞かせてくださいました。燕はそれもそうだ、
「そんなら王子様来年またお会い申しますから御無事でいらっしゃいまし。お目が御不自由で私のいないために、なおさらの御不自由でしょうが、来年はきっとたくさんのお話を持って参りますから」
と燕は泣く泣く南の方へと朝晴れの空を急ぎました。このまめまめしい心よしの友だちがあたたかい南国へ羽をのして行くすがたのなごりも王子は見る事もおできなさらず、おいたわしいお首をお下げなすったままうすら寒い風の中にひとり立っておいででした。