Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かじとポチ

一房の葡萄

有島 武郎

Lesen Sie 一房の葡萄 (かじとポチ) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 23.753 Zeichen · 48 Bildschirme

Aozora Bunko

さてそのうちに日もたって冬はようやく寒くなり雪だるまのできる雪がちらちらとふりだしますと、もうクリスマスには間もありません。欲張りもけちんぼうも年寄りも病人もこのころばかりは晴れ晴れとなって子どものようになりますので、かしげがちの首もまっすぐに、下向きがちの顔も空を見るようになるのがこのごろです。で、往来の人は長々見わすれていた黄金の王子はどうしていられる事かとふりあおぎますと、おどろくまい事かすき通るほど光ってござった王子はまるで癩病やみのように真黒で、目は両方ともひたとつぶれてござらっしゃります。

「なんだこのぶざまは、町のまん中にこんなものは置いて置けやしない」

と一人が申しますと、

「ほんとうだ、クリスマス前にこわしてしまおうじゃないか」

と一人がほざきます。

「生きてるうちにこの王子は悪い事をしたにちがいない。それだからこそ死んだあとでこのざまになるんだ」とまた一人がさけびます。

「こわせこわせ」

「たたきこわせたたきこわせ」

という声がやがてあちらからもこちらからも起こって、しまいには一人が石をなげますと一人はかわらをぶつける。とうとう一かたまりのわかい者がなわとはしごを持って来てなわを王子の頸にかけるとみんなで寄ってたかってえいえい引っぱったものですから、さしもに堅固な王子の立像も無惨な事には礎を