Japanische Klassiker mit Furigana
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かかこうしゅ
中国の怪談(二)
田中 貢太郎
Lesen Sie 中国の怪談(二) (かかこうしゅ) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.926 Zeichen · 225 Bildschirme
少女は惶てて往ってしまった。南は廷章に覚られないように杯を持って、再び現れてくる少女の顔を待っていたが、それっきり少女は顔を出さなかった。
そのうちに雨が止んで微陽が射した。雨の止んだのにいつまでもいるわけにいかなかった。南は詮方なしに帰ってきた。
翌日になって南は、粟と帛を持って廷章の家へ往った。南はそうして少女の顔を待っていたが少女は出てこなかった。南は失望して帰ってきた。
南は少女を忘れることができなかった。その翌翌日、南は酒と肴を持ってまた廷章の家へ往った。廷章は南のそうするのは賤しい身分の者にも隔てをおかない有徳な人となりの致すところだと思って酷く感激した。
「どうか一度児に逢ってやってくださいませ」
廷章はかの少女を伴れてきた。少女は父親の背後に顔をふせていた。
南はこうして紹介せられておれば、手に入れることはぞうさもないと思った。南が口を利こうとしたところで、少女は赧くなっている顔をちらと見せておじぎするなり逃げるように出て往った。
廷章の家は廷章と少女の二人生活であった。南はまた少女の顔を待っていた。間もなく少女の顔は次の室の入口に見えた。