Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうごくかいきしょうせつしゅう
中国怪奇小説集
岡本 綺堂
Lesen Sie 中国怪奇小説集 (ちゅうごくかいきしょうせつしゅう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.458 Zeichen · 363 Bildschirme
次の日は早朝から家を出て、また引っ返して籬の外から窺っていると、一人の少女が甕の中から出て、竈の下に火を焚きはじめた。彼は直ぐに家へはいって甕のなかをあらためると、かの法螺貝は見えなくて、竈の下の女を見るばかりであった。
「おまえさんはどこから来て、焚き物をしていなさるのだ」と、彼は訊いた。
女は大いに慌てたが、今さら甕のなかへ帰ろうにも帰られないので、正直に答えた。
「わたしは天漢の白水素女です。天帝はあなたが早く孤児になって、しかも恭謹の徳を守っているのをあわれんで、仮りにわたしに命じて、家を守り、煮焚きのわざを勤めさせていたのです。十年のうちにはあなたを富ませ、相当の妻を得るようにして、わたしは帰るつもりであったのですが、あなたはひそかに窺ってわたしの形を見付けてしまいました。もうこうなっては此処にとどまることは出来ません。あなたはこの後も耕し、漁りの業をして、世を渡るようになさるがよろしい。この法螺貝を残して行きますから、これに米穀をたくわえて置けば、いつでも乏しくなるような事はありません」
それと知って、彼はしきりにとどまることを願ったが、女は肯かなかった。