Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうごくかいきしょうせつしゅう
中国怪奇小説集
岡本 綺堂
Lesen Sie 中国怪奇小説集 (ちゅうごくかいきしょうせつしゅう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.458 Zeichen · 363 Bildschirme
役人が通行すれば、別に茶をすすめた。こうしているうちに、ある日ひとりの若い女が来て水を求めた。女は碧い肌着に白い着物をきていた。
「わたくしはここから十余里の南に住んでいた者ですが、夫に死に別れて子供はなし、これから馬嵬駅にいる親類を頼って行こうと思っているのでございます」と、女は話した。その物言いもはきはきしていて、その挙止も愛らしかった。
王申も気の毒に思って、水を与えるばかりでなく、内へ呼び入れて、飯をも食わせてやって、きょうはもう晩いから泊まってゆけと勧めると、女はよろこんで泊めて貰うことになった。その明くる日、ゆうべのお礼に何かの御用を致しましょうというので、王の妻が試しに着物を縫わせると、針の運びの早いのは勿論、その手ぎわが実に人間わざとは思われないほどに精巧を極めているので、王申も驚かされた。殊に王の妻は一層その女を愛するようになって、しまいには冗談のようにこんな事を言い出した。
「聞けばお前さんは近しい親類もないということだが、いっそ私の家のお嫁さんになっておくれでないかね」
王の家には、ことし十三になる息子がある。――十三の忰に嫁を迎えるのは珍しくない。