Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうごくかいきしょうせつしゅう
中国怪奇小説集
岡本 綺堂
Lesen Sie 中国怪奇小説集 (ちゅうごくかいきしょうせつしゅう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 179.458 Zeichen · 363 Bildschirme
「この画は人間の体勢に巧みであるが、人間の意趣というものが本当に現われていない。わたしはこの画に対してなんらの筆を着けずに、一層の精彩を加えてお見せ申そうと思うが、いかがでしょう」
冉はすこし驚いた。
「あなたにどんな芸があるか知らないが、なんらの筆を加えずに、この画の精彩を添えるというようなことが出来ますか」
「それは出来ます」と、柳は平気で答えた。「わたしはこの画のなかへはいって直すのです」
それを聞いて、郭萱も笑い出した。
「子供だましのような事を言ってはいけない。なんにも筆を入れないで、あの画を直すことが出来る筈がないではないか」
「いや、それが出来るのだ」
「出来るものか」
「そんなら賭けをするか」と、柳は言った。
「むむ、五千の銭を賭ける」
郭は銭を賭けることになった。主人の冉も賭けた。すると、柳は壁にかけてある画の前に立ったかと思うと、忽ちに身を跳らせて消えてしまったので、一坐の者はみな驚いて、ここかそこかと探し廻ったが、どこにもその姿はみえなかった。やがて、画の中から柳の声が聞えた。
「おい、郭君。まだおれの言うことを信じないのか」
一坐は又おどろいて眺めていると、柳は再び姿をあらわして、画の上から降りて来た。