Japanische Klassiker mit Furigana
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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河 (アラスカのひょうが) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 122.039 Zeichen · 248 Bildschirme
それは人間の生活からは全くかけ離れた景色であって、全平原が生命にみちているはずなのに、全く生命のない荒野という感じであった。ツンドラを焼く煙は、その荒野の表面を這って、低く流れていた。空はいつの間にか、また鉛色の雲で蔽われていた。それはいかにも、いつのことかも知られぬ遠い昔の植物の遺骸を火葬に附しているという景色であった。
現場の調査も終え、泥炭やその下の緻密な粘土層、それは『ツンドラ』で知り得たところの水を通さぬ基底地層のことであるが、それらの標本も採った。それから土工たちの激しい労働の様も見た。土工たちはこの時期にもなお半裸体の上半身に汗をかいていた。そしてトロッコのきしる鋭い音と、親方の激しい声とがもつれ合って、働く人たちの間を縫って流れた。案内のA氏は、「これでも今は大変良くなっているので、皆喜んで働いていますが、昔ならさしずめ監獄部屋というところでしょうね」と説明してくれた。
目的の仕事は大半片づいたので、少し高みの方にあるまだ手のつかぬツンドラ地帯を見に行くことにした。
夕闇は大分迫っていたが、このツンドラ平原に足を踏み入れた時に、私はその美しさに魅せられて、思わず立ちどまった。