Japanische Klassiker mit Furigana
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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河 (アラスカのひょうが) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 122.039 Zeichen · 248 Bildschirme
ツンドラを剥がすと、その中には、グイ松の枯れた根が縦横に走っていた。これらの根も、いつの昔からもうその生命を断っていたのか分らないが、ツンドラの中では、腐食することもなくて、昔のままの姿で掘り出されていた。腐植酸のために酸性の強められた水が下の泥炭層に浸みているので、グイ松の根はなるべくその場所をさけて、地表すれすれに新しいツンドラ層の中を長くのびて走っていた。それで沢山の長い根は、その木の根本を中心にして放射状に水平にひろがり、蛸が八方へ足をのばしたような恰好になっていた。このようにしてまで、その最後の生命を護りつづけていたグイ松たちも、ついにみずごけなどの遺骸のために窒息させられることになったのであろう。
掘り出されたグイ松の根は、うず高くつみあげられ、そういう堆積が所々方々に出来ていた。それらは焼却するのが一番良い方法だということで、それぞれ火がつけられていた。火勢が強くなると、その中に剥がされたツンドラがどんどん放り込まれていた。
ツンドラの平原は、見渡す限りどこまでも平らであった。そしてところどころに見える立枯れのグイ松の遺骸の外には、眼に入るものとては何もなかった。