Japanische Klassiker mit Furigana
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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河 (アラスカのひょうが) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 122.039 Zeichen · 248 Bildschirme
夕食を二十マイルばかり離れたドンナー湖畔のホテルでとり、すぐ帰ってきて、夜おそくまでハンセン君の居間で話をした。篤学な研究者で、新しい気象と物理との雑誌をたくさん見せてくれた。私にはどれも非常に珍しいので、久しぶりで妙なところで文明の雰囲気に浸ったような気持になった。夫人には縁のない話で気の毒だったが、少しもいやな顔をせず、時々飲物を運んだりして、もてなしてくれた。旧い表現だが、貞淑という道徳を、ネバダの山奥で発見して、ちょっと妙な気がした。
大分晩くなったので、木蔭の暗い道を研究所へ帰り、一人で寝た。電灯を消すと、淡い月の光が樹間を洩れ、周囲は全く音のない静寂の極みの世界であった。あまり静かすぎるのもかえって寝にくいものである。ネバダ山脈の奥地の孤立屋で、ただ一人寝るというのも、不思議な廻り合せである。
翌朝は朝早くから、ハンセン君が、私をジープに乗せて、奥地の試験盆地を見せてくれた。四平方マイルくらいのまとまった集水区域があって、その流れの出口のところにこの研究所が建っているのである。積雪調査区は十一か所あり、いろいろな地形の場所が巧みに選ばれていた。