Japanische Klassiker mit Furigana
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『せっかずせつ』のけんきゅう
中谷宇吉郎集 第二巻
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎集 第二巻 (『せっかずせつ』のけんきゅう) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.098 Zeichen · 172 Bildschirme
もっとも味の方に効くのはヴィタミン自身ではなく、同時に出来る同じ程度に微量な他の化合物なのであろう。
匂いもそうであるが、味というものも極めて研究のむずかしいものである。味の科学で劃期的の業績は味の素の発見であるが、これも結局は「味の素の美味さ」の物質を抽出したことになるのであろう。味の素を沢山使った料理はどれも同じ味になってしまう。細君の話を持ち出すのも妙なものであるが、加賀の旧式な家に育った妻は、旧い伝統に培われた同じような料理を毎日根気よく作っている。野菜の煮付けとか、魚ならば焼くとか煮るとかという風な田舎の料理である。それでも三百年の伝統の中に、いつの間にか鯛のうしおには焼塩を使わずに荒塩を用いるとか、ある種の煮物には出汁やその他の調味料を入れないとか色々の制約が出来ている。研究室の実験には、休暇があったり会議があったりして、一年の半分も本式に身を入れることはないが、台所の実験は年中毎日同じように続いて行く。そして時々新しい法則を発見して行くようである。時には「一度醤油を差して少しあまかったと思って、注ぎ足したらもう駄目ですね」などというような勝手な法則を帰納している。