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Japanische Klassiker mit Furigana

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『せっかずせつ』のけんきゅう

中谷宇吉郎集 第二巻

中谷 宇吉郎

Lesen Sie 中谷宇吉郎集 第二巻 (『せっかずせつ』のけんきゅう) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.098 Zeichen · 172 Bildschirme

Aozora Bunko

私はいわゆる食通といわれる人々の味覚を真似る気持はないが、ただ虚心に味わって見るとこういうような味の差が案外明瞭に分るような気がするのである。人間の舌が極微量の複雑な物質に感ずる感度にくらべては、今の精密器械などはまだまだ子供だましのようなものであろう。もっとも精密器械の方は現象を分析してその一つ一つの要素を極微量まで測定するように考案されているもので、味覚のように複雑な現象をそのまま綜合的に感じて、その中の微量物質の差を識別する機能とは比較するのが無理なのであろう。

真鰺や室鰺と限らず、ここの海には色々の小魚が極めて豊富である。この頃は土地の生活にも馴れて、魚屋が市場からこれらの魚を持ち帰ってくる時間も大体分ってきた。その頃を見計らって店先へ行ってみると、色々の雑魚がまだ砂にまみれながら銀色に光っている。そんなのを買ってきて、直ぐ簡単に塩をふって焼くと、魚は金網の上に反りかえる。そして身がはじけてジージーと脂を炭火の上に落すのである。それを細君が太い箸でつまみ上げて皿の上にのせてくれるのに醤油の数滴をたらすとじゅっといってしみ込むのである。

まあこんな所を味覚の秋とでもいうのであろう。