Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme

Aozora Bunko

「はてな! おれが、何かいったかな」

「まあ! 心細い! それではあんまりあの娘がかわいそうではございませんか」

「なんのことだ? おれにはわからん」

「一生おそばにおいて――とおっしゃった……あれは御冗談でございましょう?」

源十郎は横を向いて笑った。

「なんの! 冗談をいうものか。いやしくも人間一匹の生涯を決めるに戯れごとではかなうまい。真実おれはあのお艶をとも白髪まで連れ添うて面倒を見る気でおる。これは偽りのない心底だ」

もし事実そうなったら、お艶のためにも自分のためにも……とっさに思案する老婆さよの表情に、いっそのこと、ここでお艶に因果をふくめて思いきって馬を鹿に乗りかえさせようかと、早くも真剣の気のみなぎるのを、源十郎はいぶかしげに見守った。

「さよ、貴様、あれのことというといやにむきになるな」

「いえいえ! け、決してそんなことはございません!」おさよはどぎまぎして、「ただ、あのただ、わたくしにもちょうど同じ年ごろの娘があるもんでございますから、つい思い合わせまして、あのお艶が……いえ、お艶さんが一生お妾にでもあがるようなことになりましたら、さぞ楽をするであろうと――」