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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうだ。本人のためはいうにおよばず、もし血につながるものがあったら、父なり母なり探し出して手厚く世話をしてやるつもりだから、内実は五百石の後室とそのお腹だ。まず困るということはないな」

こう源十郎がいいきると、おさよは思わずとりすがるように、

「殿様ッ! それはあの、御本心でございますか」

すると源十郎、

「な、何を申す! 武士に二言のあろうはずはないッ!」

といい気もちにそり返りざま、両刀をゆすぶるつもりで――左へ手をやったが、生憎丸腰。

で、何かいい出しそうにじッ! とおさよを見すえた刹那! 裂帛の叫び声がどこからともなく尾をひいて陰々たる屋敷うちに流れると……。

源十郎とおさよ、はた! と無言の眼を合わせた。

と! またしても声が――

ヒイッ……という、思わず慄然とする悲鳴はたしかに、女の叫びだ!

それが、井戸の底からでも揺れあがってくるように、怪しくこもったまま四隣の寂寞に吸われて消える。

源十郎は委細承知らしく、にが笑いの顔をおさよへ向けた。が、口にしたのはやはりお艶のことだった。

「では、さよ、貴様もあの娘の件にはばかに肩を入れておるようだが、いずれそこらの曰くはあとで聞くとして――」