Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme
西から東へ、一刷け引いた帯のような夕焼けの雲の下に。
その真っ赤な残光を庭一面に蹴散らし、踏み乱して、地に躍る細長い影とともに、剣妖丹下左膳、いまし奮迅のはたらきを示している。
「汝等ア! 来いッ! かたまって来い! ちくしょう……ッ!」
築山の中腹に血達磨のごとき姿をさらして、左膳は、左剣を大上段に火を吹くような隻眼で左右を睥睨した。
迫る暮色。
暗くなっては敵を逸する懼れがあるので、一時も早く絡め捕ってしまおうと、御用の勢は、各自手慣れの十手を円形につき突けて――さて、駈けあがろうとはあせるものの、高処の左剣、いつどこに墜落しようも知れぬとあって、いずれも二の足、三の足を踏むばかり……この間に、石火の剣闘にみだれかけた左膳の呼吸も平常に復して、肩もしずかに、ぴったりと不動のかまえに入っている――。
と見て、捕り手を率いる同心とおぼしき頭だったひとりが、半弧のうしろから大声に叱呼した。
「やいッ! 丹下左膳とやら。旧冬来お膝下を騒がせおった辻斬りの下手人がなんじであることは、もはやお上においては百も承知であるぞッ! これ、なんじも剣の妙手ならば、すみやかに機をさとり、その遁れられぬを観じて神妙にお縄をちょうだいしたらどうだッ! この期におよんで無益の腕立ては、なんじの罪科を重らすのみだぞッ!」