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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼしぞう

久生十蘭短篇選

久生 十蘭

Lesen Sie 久生十蘭短篇選 (ぼしぞう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.344 Zeichen · 96 Bildschirme

Aozora Bunko

てなぐあいで、全然、手ごたえがないんです。

面白くないことが、もう一つあるのよ。当座、見た感じで、たかだか水通しの本結城と、軽く踏んだんですけど、結城はまったくの見そくない……なんというものなのか、粉をふいたような青砥色の地に、くすんだ千歳茶の斜山形が経つれの疵みたいに浮きあがっているの。袖付や袵の皺が苔でも置いたようなしっとりした青味の谷をつくって、いうにいえないいい味わい……帯はね、蝦夷錦の金銀を抜いて、ブツブツの荒地にしたあとへ、モガルの色糸で、一重蔓小牡丹の紋をいたずらでもしたようにチラホラ散らしたという……お話中……わからないひとねえ、お話中だと言ってるじゃありませんか。切れたらつないでください。あなたの仕事でしょう。

モシモシ、ふふ、あたし……帯はともかく、着物のほうがわからない。吉野でもなし、保多織でもなし、あれでもないこれでもないと考えているうちに、いつだったか千々村がいっていた、秋田の蕗織なんだとやっとのことで行きついたというわけ……ほら、昭和十何年かの京都の知恩院の大茶会に、鴻池可津子がたった一度だけ着たという、あれの連れなの。