Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼしぞう
久生十蘭短篇選
久生 十蘭
Lesen Sie 久生十蘭短篇選 (ぼしぞう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.344 Zeichen · 96 Bildschirme
あなたとはちがうから……どうしてやろうと思うと、眼がチラチラして、まわりのものがみな浮きあがってくるみたい。どうしたって、このままでは帰されない。是が非でも、ぎゅっという目に逢わしてやろうと思うんだけど、志貴子、どんな生活をしているのか、久しく不通だったもんだから、正体がわからない。苛めようにも、てんで方針が立たないってわけなの。せめて輪廓だけでもつかまないことには、手も足も出ないから、「この四、五年は、一年ぐらいの早さですんでしまったけど、数えてみると、あれからもう十年になるのね。このごろ、どんな生活なの」と釣りだしにかかると、「うちらに、生活みたいなもん、あれしません。ぼやぼやと一日一日がたっていくだけですねん。でも、東京いうたら、いつ来てみても、なんやしらん、ざわついていますねんなア。うち山ン中にひっこんでるせいか、こないしていると、中腰で居立っているような気イして、ちょっとも落着けしませんのン」なんて……そうなの。銀座のような、手軽なところへ呼びだされたのが心外だ、という意味でもあるんですけど、要するに、上手にぼやかして、尻尾をつかませないの。