Japanische Klassiker mit Furigana
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にひゃくとおか
二百十日
Lesen Sie 二百十日 (にひゃくとおか) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.466 Zeichen · 60 Bildschirme
そうしたら虱が死なないうちに、襯衣が破れてしまった」
「おやおや」
「しかもそれを宿のかみさんが見つけて、僕に退去を命じた」
「さぞ困ったろうね」
「なあに困らんさ、そんな事で困っちゃ、今日まで生きていられるものか。これから追い追い華族や金持ちを豆腐屋にするんだからな。滅多に困っちゃ仕方がない」
「すると僕なんぞも、今に、とおふい、油揚、がんもどきと怒鳴って、あるかなくっちゃならないかね」
「華族でもない癖に」
「まだ華族にはならないが、金はだいぶあるよ」
「あってもそのくらいじゃ駄目だ」
「このくらいじゃ豆腐いと云う資格はないのかな。大に僕の財産を見縊ったね」
「時に君、背中を流してくれないか」
「僕のも流すのかい」
「流してもいいさ。隣りの部屋の男も流しくらをやってたぜ、君」
「隣りの男の背中は似たり寄ったりだから公平だが、君の背中と、僕の背中とはだいぶ面積が違うから損だ」
「そんな面倒な事を云うなら一人で洗うばかりだ」と圭さんは、両足を湯壺の中にうんと踏ん張って、ぎゅうと手拭をしごいたと思ったら、両端を握ったまま、ぴしゃりと、音を立てて斜に膏切った背中へあてがった。やがて二の腕へ力瘤が急に出来上がると、水を含んだ手拭は、岡のように肉づいた背中をぎちぎち磨り始める。