Japanische Klassiker mit Furigana
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ごかいのまど
五階の窓
国枝 史郎
Lesen Sie 五階の窓 (ごかいのまど) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.651 Zeichen · 16 Bildschirme
「面白いことを聞いてきた。将校マントのあの男はね、昨日、入院したんだそうだ」
「なんていう名だい? 舟木新次郎かな?」
「いや、松本正雄っていうそうだ」
「で、病名はなんなんだい?」
「それが非常におかしいのだ。入院するほどの病気なんか、持っていないということだ」
「ふーん、こいつはおかしいね」
「無理につければ神経衰弱、強迫観念に捉えられているそうだ」
「舟木新次郎じゃあないだろうか?」
「ぼくもそんなように思うのだ。……犯罪人の隠れ場所としては病院なんか絶好だからなあ」
「それに舟木の姉に当たるお蝶という女が会いに来た以上はね……」
「だがあの女、張り込みをまいてよくこんなところへ来られたなあ。……それはそうと接近してみよう」
山本は三人へ近寄ろうとした。
「おい見つかるぜ、危険だぜ」
「あいつらの利用している情景を、逆用してやるのだから大丈夫さ」
「そりゃあいったいどういう意味だい?」
「将校マントの男はだね、入院しているから部屋を持っている。面会人の場合にはそこで話すのが普通じゃあないか。ところが、あいつらそいつをしない。というのには理由がある。一室にこもって密談すれば、かえって人に怪しまれるからさ。