Japanische Klassiker mit Furigana
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ごかいのまど
五階の窓
江戸川 乱歩
Lesen Sie 五階の窓 (ごかいのまど) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.189 Zeichen · 21 Bildschirme
夕闇の街路には、先刻のエレベーター・ボーイを始め数人の人々が死体を取り囲んでいた。その真中に、ひしゃげた様な黒いものが横って、暗い中にも、生々しい血潮がハッキリ見えていた。
「オイ、うちの社長じゃないか」
社員の一人が叫んだ。
「まさか」他の一人はそれを打消しながら、「オーイ、誰だか分らないかなあ」と下に向って呼んだ。
「西村さんだよう」
下から返事が来た。それを聞くと社員達は俄かに色めき立った。社長の宅へ工場などへ電話をかけるものもあった。死体の所へかけつけるものもあった。
庶務の北川は二三の社員と共に社長室を調べた。ドアは異常なく開いた。室内にも窓があけはなっている外には別に変った所はなかった。
「ここから落ちたんだね。併し、まさか社長自身が飛びおりた訳ではなかろうが、おかしいね。誰かにつきおとされたのだろうか」
社員達は青ざめた顔を見合せて、囁き合った。
エレベーターが忙しく上下して、西村商会の社員ばかりでなく、他の部屋の人達も五階に集って来た。一方街路の死体の所には、刻一刻人数が増して行った。山本の新聞社の記者が写真班をつれてかけつけた。
「死体を一枚撮って置いたよ」