Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
きっと、これには事情があるのだろう。ただ心境の変化、電撃的翻意くらいで、そう易々と片付けられるものではあるまい。と、事の真相を測りかねた各社の猛者連が、翌朝折竹の宿へ目白押しに押しかけてきた。
彼が泊まっている「マルバーン・ハウス」というのは、ロンドンの西郊チェルシー区にある。この区はロンドンの芸術家街といわれ、都心を遠くはなれた川沿散歩道のしずけさ。が、いま部屋のなかは喧囂たる有様だ。「タイムス」「デリー・テレグラフ」をはじめ各国の特派員。なかには、前作、「第五類人猿」のアマゾン奥地探検のとき関係のあった、「世界新報」というペルー新聞までがいる始末。
心境の御変化はどういう理由で……あなた個人の、身辺的事情?……それとも、土地柄政治的原因で……と包囲攻撃のなかで静かに莨煙をたて、折竹は憮然とガウンの紐をいじっている。やがて、鎮まるのを待って、ニッと笑い、
「別に、どうこういうような派手派手しい理由はない。風……。僕の翻意の原因は、風にある」
「へえ。風がね」
とロイド眼鏡をひからせてまっ先に乗り出してきたのが、「スター紙」の山岳通マクブリッジ君。
「つまり、仰言る意味の風は、季節風でしょうね。