Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme

Aozora Bunko

しかしそれはとうに計画のなかへ織り込みずみじゃありませんか。季節風の影響のない五、六月中に、探検を完了するというのが既定の計画だとしたら風の影響などは何もないじゃないですか。むしろ、驚異の征服をなし遂げた、引き上げ時にですね、季節風の猛雨くらいあるほうが、劇的でいいですよ。征服者折竹の風貌いよいよ颯爽となり……映画班も悦ぶし、われわれも助かる」

「ハッハッハッハ、人の苦しみを悦ぶのは、ジャーナリストくらいだろう。だが、季節風以外にも、風の問題はあるよ」

と、きっぱり言われてもパミールの辺りで、風の問題といえば季節風以外にはない。はてなと、誰にも見当がつかないところへ、

「なんだ、諸君は分らんのかね」

と、一わたり折竹がぐるぐるっと見廻して、

「風にもよりけりで、いろんな風があるが……、なかでも一番下らんやつに、臆病風というのがある。そいつが、『大地軸孔』だけはぜひお止めなさい。暗剣殺と三りんぼうをゴッタにしたような、あすこへ行けばかならず命はない――と、僕に切実にいうもんだからね。こっちも、考えてみると成程そのとおり。よく、こんな計画でゆく気になったもんだと、再吟味の結果、慄っとなったほどだよ」