Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
マヌエラは、こんな楽園が荒野のなかにあるのかと、いそいそと水際を飛びあるきはじめた。そこへ、カークが記憶があるといいだした。
「その沢から、あの藪地を越えて、ほぼ十マイルもいったところが、ドドの発見地なんだ。おいドド久しぶりで故郷へかえろうぜ」
しかしドドは、マヌエラのうごきを貪るように追っている。まっ白な脛、花を摘んで伸びたときのうつくしい均斉。
それを追いもとめる目には通じない意志に、悶えるようなかなしそうな色がうかんでいる。
またドドは、ここへ来てから何ものかの呼び声をうけている。ときどき、段状にかさなってゆく中央山脈の、一染の、樹海と思われるあたりをおそろしい目でながめていたり、なにより、葉摺れの音にもびくっとなるし、あらゆる野性のものが呼び醒まされようとしている。それには、座間もカークもとっくから気がついていたのだ。
「ドドは、森の墓場へゆき損って人の手に落ちた。しかし今に、そのとき失った野性が強くなるか、それともマヌエラに惹かれて人の世にとどまるか――いずれはどちらかになると思うよ。しかし、注意は充分しなきァならんね」
探検隊がドドを連れてきたには目的があったのである。