Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
それは、さいしょカークと逢ったその場所へゆけば、おそらく故郷を思いだして先頭にたつのではないか。そうして隊が、その跡に続けば人にはわからない、悪魔の尿溜への極秘の道をゆけるのではないか――と。しかし、その試みは失敗に終ってしまった。ドドは、はじめて覚えたマヌエラの魅力に、帰郷の意志などはとっくに失ってしまっている。
その夜、はじめて夜明けまえにライオンの咆吼を聴いた。藪地のなかで、豹にやられるらしい小野豚の声もした。やがて、危険な角蛇のいる藪地を越えたとき、はや隊のうえにおそろしい不幸が舞い落ちてきた。
それは、抵抗のつよい騾をのぞくほか、いそいで河中に追いこんだ水牛六頭以外は、野牛も駱駝も馬も羊も、みな毒蠅のツェツェに斃されたのだ。それからが、文字どおりの難行であった。荷担ぎは、荷が嵩んだので値増しを騒ぎだし、土はあかく焼けて亀裂が這い、まさに地の果か地獄のような気がする。灌木も、その荒野にはところどころにしかない。たまに、喬木があっても枯れていて、わずか数発の弾でぼろりと倒れてしまうのである。
しかし、もうそこは山地にちかい。左には、連嶺をぬいて雪冠をいただいている、コンゴのルウェンゾリがみえる。