Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
えせものがたり
似而非物語
山本 周五郎
Lesen Sie 似而非物語 (えせものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.817 Zeichen · 64 Bildschirme
杢助は横になっていた。半ば傾いた家の縁側に蓆を敷いて、その上に木枕を置いて、さも気楽そうに横になっていた。そしてきせるでうまそうに煙草をふかしていた。それは弥市にとっては驚異であった。「煙草」というものがあることは知っていたし、それがどこか天竺のほうから渡来したという話も聞いていた。けれども現実に見るのは初めてであった。杢助は帰って来て五日になるが、いつもきせるを持って、悠々と、うまそうに煙草をふかしていた。それはいかにも高尚で、貴族的で、近より難く、あたりを払うようにみえた。
「そうよ、起こったっけよ」
杢助は放心したような声で云った。
「大坂方のなんとかいう大将が首をぶたれたときによ」
「大坂方の大将がどうしただって」
「京の河原で首をぶたれただよ」
杢助はきせるをはたいた。
「しゃっと、いやな音がして、それから首のぶっ飛んだあとから、まっ赤なあれが一丈も噴きあがっただ、びゅうっとよ、一丈の余もあったっけか、ほんとによ、そのときおらくる眼を起こしただあ」
「するとおめえはいくさにんになっただかえ」
「おらがいくさにんになったかって」
杢助は鼻を鳴らした。