Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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えせものがたり

似而非物語

山本 周五郎

Lesen Sie 似而非物語 (えせものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.817 Zeichen · 64 Bildschirme

Aozora Bunko

「なにを仰しゃいますか」

二之木の顔はたちまち赭くふくれた。

「人間と生れて仮にも母親をけがらわしいと思う者があるわけはございません、私にとっては母上は神聖冒すべからざるものです」

「あの娘らもおんなしださ」

杢助はごろっと横になった。きせるをはたき、二服めに火をつけ、さもうまそうに煙の輪を吹いて、それからだらけた調子で、ゆっくりと云った。

「その年頃になれば、牝鶏は卵を産みたがるし、娘らは子を産みたくなるだわさ、ほかのこんじゃねえ子を産みてえからこそ、があがあ騒いだりつまらねえお饒舌りをしたりするだあ、そういうことでおめえが生れたし、おらも生れたし、誰も彼もが生れて来ただ、あの娘らがもしけがらわしいとすれば、そういうことをしておめえを産んだおめえのおふくろさまもけがらわしいし、世の中の女てえ女、また男てえ男はみんなけがらわしいだ、そんなこたあねえ、そんなこたあ」

杢助は吸殻を掌へはたき、三服めを吸いつけた。

「おめえらもいつかは、どっかから嫁を貰って、そうして自分らの伜を産ませるだ、いつかはよ、……ほんとに変哲もねえ、みんなおんなしこったよ」

二之木二郎の顔が硬化した。