Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんかん
俊寛
Lesen Sie 俊寛 (しゅんかん) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.263 Zeichen · 33 Bildschirme
「しかし居心は悪くない住居じゃ。寝所もお前には不自由はさせぬ。では一しょに来て見るが好い。」と、気軽に案内をして下さいました。
しばらくの後わたしたちは、浪ばかり騒がしい海べから、寂しい漁村へはいりました。薄白い路の左右には、梢から垂れた榕樹の枝に、肉の厚い葉が光っている、――その木の間に点々と、笹葺きの屋根を並べたのが、この島の土人の家なのです。が、そう云う家の中に、赤々と竈の火が見えたり、珍らしい人影が見えたりすると、とにかく村里へ来たと云う、懐しい気もちだけはして来ました。
御主人は時々振り返りながら、この家にいるのは琉球人だとか、あの檻には豕が飼ってあるとか、いろいろ教えて下さいました。しかしそれよりも嬉しかったのは、烏帽子さえかぶらない土人の男女が、俊寛様の御姿を見ると、必ず頭を下げた事です。殊に一度なぞはある家の前に、鶏を追っていた女の児さえ、御時宜をしたではありませんか? わたしは勿論嬉しいと同時に、不思議にも思ったものですから、何か訳のある事かと、そっと御主人に伺って見ました。
「成経様や康頼様が、御話しになった所では、この島の土人も鬼のように、情を知らぬ事かと存じましたが、――」