Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

いりえのほとり

入江のほとり

正宗 白鳥

Lesen Sie 入江のほとり (いりえのほとり) von 正宗 白鳥 (まさむねはくちょう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.430 Zeichen · 50 Bildschirme

Aozora Bunko

夜具の中へ首をすっこめて足を縮めて、冷えた身体の暖まるので、いい気持になっていたが、すると今見た手紙の内容がいろいろに想像されだして、自分に女房のできるのが不思議でならなかった。……学校の小さい生徒か母か妹かのほかには、女と口を利いたこともなければ、しみじみ女の顔を見たこともないので、思出にも若い女の影ははっきり浮ばない。山間の学校にいた時分には、土地の若い女に逢うと、極りの悪い思いをして顔を外らせていたのだったが、今は平気でいて自然に目がつかぬようになっている。……彼れは自分の縁談から、どんな男にも、女房のあることに思い及んで、妙な気がした。そして勝代が出て行った後で、まだ見たこともない女と自分とが、この二階に住うことを、夢のように感じながら、ぐっすり睡眠に陥った。

翌日学校の往帰りの途中でも、彼れはしばしば結婚について珍らしげに考えた。擦違う女の姿形を無心に見過せなくて、穢しい田舎女の一人一人が頭の中に浸みこんだ。テーブルに向うには向ったが、今日の英字の解釈に早く根気が疲れて、所在なさにしばしば机を離れては障子を開けて外を眺めた。

西風の凪いだ後の入江は鏡のようで、漁船や肥舟は眠りを促すような艪の音を立てた。