Japanische Klassiker mit Furigana
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くらのすけるす
内蔵允留守
山本 周五郎
Lesen Sie 内蔵允留守 (くらのすけるす) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.082 Zeichen · 24 Bildschirme
「武術の修業は詰らぬものか、御老人」
「そう仰しゃられますと、まことにお答えに困ります、私は百姓でございますから自然と考え方も頑なになるかも知れませんが」老人は再び仕事を始めながらそう云った、「もう徳川さまの天下は磐石でございます、主持ちのお武家がたは格別、浪人衆は刀を捨てるときでございましょう、今は剣術のうまい百人の武士より、一人の百姓が大切な世の中になっております」
「ではもう兵法などは無用だと云われるのか」
「私の申上げた言がそのように聞えましたか」
虎之助は老人を見た、老人はゆっくりした動作で、然もひと鍬ひと鍬を娯しむもののように土を掘り起こしている、その姿はいかにも確りと大地に据って見えた。虎之助などの若い観念では、窺知することさえできない大きな真実が、老人の五躰から光りを放つように感じられた。
「あれ」除草していた奈美がそのときふいに声をあげた、「あの人たちがこちらへ来ますわ」振返ってみると、水浴びをしていた浪人たちが、声高になにか笑い罵りながら此方へ来るのが見えた。
「お祖父さま、またいつかのように乱暴をするのではないでしょうか」
「相手にならなければいい、構わなければ蝮も噛まぬという、知らん顔をしておいで」