Japanische Klassiker mit Furigana
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べっぷおんせん
別府温泉
高浜 虚子
Lesen Sie 別府温泉 (べっぷおんせん) von 高浜 虚子 (たかはまきょし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.339 Zeichen · 27 Bildschirme
春の四、五月の頃になると、山口県の大島郡とか佐波郡とか又愛媛県の八幡浜附近の海岸の村では、一艘の船に米、味噌、醤油を積み込んで、二、三十人の人が一団となってこの別府に来る。帆を掛けてはいって来たその船は、波止場に繋いで、三週間ばかり滞在する。その間それ等の人は勝手に共同温泉にはいって、夜はこの船に帰って寝る。船では「大島郡何々村」と書いた大きな札を帆柱に打ち付けて置くと郵便配達夫はその船まで郵便物を配るという風であるそうな。時には御詠歌を歌って町をあるいて一銭二銭の報謝を受ける。一円か二円たまると、それで寄席にはいるとか氷水を飲むとかするのを楽みにしているそうな。一人五円位の費用で三週間入湯して行くことが出来るのだそうな。
亀川の四の湯に桃の女はまだきっといる。
日名子氏が案内にたって大分市の元町にある磨崖の石仏を見に行くことになった。折節同宿している五十嵐播水君も共に。
午前七時に宿を出た。途中にちょっと立ち寄ったところがあったので、電車で大分駅の前に着いたのは九時を過ぎる十分か二十分のころであったろう。それから人力車に乗ってその元町へとこころざした。