Japanische Klassiker mit Furigana
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ちよこ(さん)
千世子(三)
宮本 百合子
Lesen Sie 千世子(三) (ちよこ(さん)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.906 Zeichen · 54 Bildschirme
「ほんまになあ、
あほらしい事や。
おどけた調子で真面目な顔をして千世子は云った。
それにつられた様に京子は西京へ行った時の話を丁寧に話した。
「大阪って云うと京都より塵っぽい煤煙の多い処許り見たいだけど成園さんの描いたあの近所は随分好い、お酌もこっちのより奇麗だし同じ位『すれ』て居ても言葉が柔いからいやな気持がそんなにしない。
『すれ』を上手にごまかして居るのかもしれないけれどすきになれそうなのが少くなかった。
こんな事も話した。
千世子はだまって壁を見ながら、彌左衛門町を歩いて居た時、お酌が大口あいて蜜豆を頬張って居るのを見た時の気持を思い出して居た。
京子はしきりに千世子の古い処々本虫の喰った本を出してはせわしそうにくって居るのを見て、
「何にするの?
千世子はだるい声で云った。
「何ねー、
今して居る仕事の片が附いたら極く新らしい気持で昔の物語りの絵巻を作って見ようと思って。
気に入ったのが見つからないんだもの。
ほんとうに何がいいかしらん。
京子はほんとうにたずねあぐんだ様に云った。
「いいのが見つからなかったら自分で物語りを作ったらいいじゃあ、ありませんか、