Japanische Klassiker mit Furigana
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なんぼく
南北
横光 利一
Lesen Sie 南北 (なんぼく) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.591 Zeichen · 40 Bildschirme
織留のとこに一寸した汚点があるのやが、二円五十銭にしとくわな。」
「要らん要らん。銭がないわ。」
「直ぐ売れてしまうで今やなきゃあかんぞな。銭なんていつでもええわ。上村の三造さんの嫁さんに頼まれてるのやで、姉やんが要らんだら持っていくけど。」
「わしらそんな良えのしたかて、何処へも見せに行くところがないわ。」
「そんなこと云うてたら、裸体でいようかしらず、まアいっぺん見てみやいせ。」
お留が奥の間へ立っていった後へ、秋三は牛の雑炊をさげて表の方から帰って来た。
「秋よ、お前もお前やないか、とうとうわしとこへ安次をにじりつけてさ。」と、お霜は云った。
秋三はお霜の来た用事を悟ると痛快な気持が胸に拡った。彼はにやにやしながら云った。
「にじりつけるか。勘が引受けよったのやないか。勘に訊いてみい、勘に。」
「連れて来んもの、誰が引受けるぞ。」
「そりゃお前、お前とこが株内やで俺が連れて行くのはあたり前の話や。」
「お前株内や株内や云うけど、苗字が一緒やで株内やと定ってまいが、それに自分勝手に私とこへ連れて来て、たちまちわしとこが迷惑するやないか。」
「定ってら、あんな物に迷惑せんとこって、あるもんか。