Japanische Klassiker mit Furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Lesen Sie 南国太平記 (なんごくたいへいき) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 493.291 Zeichen · 991 Bildschirme
御大腹の君として、たとい、将曹如き奸物にもせよ、こう仰せられるのは、われら家来として、ただ、感佩の外に無いが、事による。斉彬公が、公御自身の命を縮め、子孫を絶さんと計るこれら奸悪のものに対して、こう御存念なさっておる以上、斉彬公のお力を借りることに望みは無い。その望みが無い以上、君側の奸は、われらの手で討つ外にない。而して、われらの手で討取る以上、われらも腹を掻っ切る代りに、彼奴等も残らず殺さねばならぬ。それには夜陰に乗じて邸ぐるみ、大砲にて砕き倒すがよい――」
と、いった時、鈴の音が、人々の耳に、明瞭に聞え、つづいて
「火相は、これ、煽がずして自然に燃え、無烟にして、熾盛、諸障蔽うことなし」
と、叫んだ玄白斎の声が響いた。人々は、沈黙して、次を待った。
「右旋して、日輪の魏々として照映する如く、色相金色にして、紅霓、雷閃の如し。南無、延命、息災の呪法を成就せしめ給え――香気如何」
それは、壮烈な玄白斎の声であった。
「祈祷も成就しそうだのう」
壱岐が、こういった時、赤山靱負が
「大砲打ち込もよいが、来春の、吉野牧場の馬追を好機として、久光公を鉄砲にて射取ったなら?――禍根は、この君が在す故だからのう」